2017年5月14日日曜日

劇団四季版オペラ座の怪人観劇レポート 高井治のファントムはすごいらしい

横浜にあるKAAT 神奈川芸術劇場で劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」を観てきました。


本日のキャストの皆様



  • オペラ座の怪人:高井治
  • クリスティーヌ・ダーエ:山本紗衣
  • ラウル・シャニュイ子爵:光田健一
  • カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
  • メグ・ジリー:松尾優
  • マダム・ジリー:佐和由梨
  • ムッシュー・アンドレ:増田守人
  • ムッシュー・フィルマン:青木朗
  • ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏
  • ムッシュー・レイエ:松下武
  • ムッシュー・ルフェーブル:鈴木周
  • ジョセフ・ブケー:見付祐一
  • 男性アンサンブル:高橋祐樹、宇都宮千織、佐々木純、村田慶介、山口泰伸、松永隆志、杉浦洸
  • 女性アンサンブル:大岡紋、大中ゆかり、時枝里好、岩城あさみ、松ヶ下晴美、荒巻くるみ、榊山玲子、稲葉菜々、羽田沙織、波多野夢摘、堀内恵、塩入彩香


今回の横浜公演の目玉は何と言っても生オケの復活!ブロードウェイでオペラ座を見たときに厚みのあるオーケストラに感動したことを覚えています。やはりミュージカル、特にオペラの劇中劇のある本作ではオーケストラによる生演奏がふさわしいですね。今回のオーケストラ指揮は平田英夫さんでした。




感想

オペラの怪人は作品自体が好きだから観に行くことを決めました。しかし、特にファントム役は声量が必要な作品。いくらレジェンド級役者とはいえ日本人の声だと物足りないと感じるのかな?と勝手に思っていました。もうね、あの時の自分にスライディング土下座させたいくらいです。
高井さんのファントム、

素晴らしかった!!!

オペラ座だけでなく私が今まで観たミュージカルの中でも1,2を争うくらい感動させられました。嬉しい誤算。せっかく横浜に来たから帰りに中華でも食べようと思っていたのに高井さんの歌で胸がいっぱいになり、食欲吹っ飛んだくらいです。東京、ロンドン、NYと様々な場所で観劇させていただいて、観て良かったなと思う1回に出合うことはよくあります。しかし心に残る1回というのは案外少ないものです。ですが、この高井さんのファントムは私の心に一生残ることを確信しました。オペラ座を見るといつもファントムの切なさに涙するのですが、今回はいつも以上においおい泣きました。もちろんストーリーはばっちり把握していて結末も知っていてもです。そして私の中のファントム=体格の良いおじ様というイメージは高井ファントムにより音を立てて崩れ去りました。ファントムはクリスティーヌを思うあまり脅迫、殺人など落ち着いて考えるととんでもないことをやり人々を恐怖に陥れる。そして怪人と呼ばれイメージだけが独り歩きしてしまう。しかし、本人は一人の女性を思うごく普通の人間なのですよね。だから大柄で見目麗しい俳優さんが演じるよりも小柄な高井さんの方がよりリアルなファントムな気がします。もう2幕最後のラウルとの対決のあたりでは高井さんがファントムの生き写しに見えてきましたからね。

高井さんの人生は少しファントムとリンクしているように思います。彼が劇団四季に入団したのは何と37歳の時。作曲や建築の才能があるのに見た目のせいでその才能が埋もれていたファントムと抜群の歌声を持ちながらなかなか日の目を浴びることのなかった高井治。高井さんの声には何か特別な力があると感じます。そしてその声は彼の今までの苦労した人生があってこそだと生まれるものだと思うのです。


オペラ座の怪人の劇中でファントムが出てくる時間はわずか30分程度と案外短いです。でも、高井さんの声に圧倒され作品自体が彼のファントムに支配されていました。「私、ブロードウェイ派なんで。劇団四季とか見ないんで。」というあなた。高井さんのファントムを聞かないでオペラ座ファンを名乗っちゃいけませんよ!是非一度生で聞いてみてください。


0 件のコメント:

コメントを投稿